イギリスで日本研究の第一人者として知られるロンドン大学名誉教授のロナルド・ドーア氏が13日、亡くなりました。93歳でした。
ドーア氏は1925年、イギリス南部のボーンマスで生まれ、第2次世界大戦中、イギリス政府から軍や情報機関で働くために外国語を習得する要員に選ばれ、ロンドン大学で日本語を学びました。
終戦後はアメリカのハーバード大学などで教べんをとって、日本の社会や経済、資本主義構造の比較研究に力を尽くしました。
そして1980年代、日本企業が世界経済の舞台で注目されるようになると、ドーア氏の研究は海外の投資銀行の専門家たちからその背景を理解する貴重な成果として評価され、日本の文部科学省も学術の発展に功績を残した日本学士院の客員に選びました。
ドーア氏が名誉教授を務めるロンドン大学の東洋アフリカ研究学院によりますと、ドーア氏は13日にイタリアで亡くなったということですが、死因は明らかにされていません。
東洋アフリカ研究学院は声明でドーア氏について「生涯を通してイギリスの人たちが日本への理解を深めるのに多大なる貢献をした」として、その死を悼みました。
-- NHK NEWS WEB