米中の貿易摩擦が激しさを増す中、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議が17日夜、南太平洋のパプアニューギニアで開幕しました。安倍総理大臣は、自由貿易を推進するため自由で公正なルール作りなどに取り組んでいく方針を示すことにしていて、首脳会議では地域の成長に向けた協調姿勢をどこまで明確に示せるかが焦点です。
アメリカ、中国、日本など、太平洋を囲む21の国と地域が参加するAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議は、南太平洋のパプアニューギニアの首都ポートモレスビーで日本時間の17日午後8時前、最初の行事となる首脳夕食会で開幕しました。
日本時間の17日午後1時前、現地に到着した安倍総理大臣はこれに先立ってアメリカのペンス副大統領、中国の習近平国家主席などとともに企業関係者からなるAPECビジネス諮問委員会のメンバーと面会したのに続き、首脳会議に招かれたフィジーやミクロネシアなど島しょ国の首脳との対話会合に出席しました。
ことしのAPECの首脳会議は、米中の貿易摩擦が激しさを増す中「地域経済統合の深化」などをテーマに2日間の日程で討議を行うことになっています。
この中で安倍総理大臣は、米中の貿易摩擦の激化で世界経済の先行きに懸念が出ていることも踏まえ貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもならないと訴え、引き続き自由貿易を推進するため自由で公正なルール作りなどに取り組んでいく方針を示すことにしています。
また中国が途上国のインフラ整備に対する経済支援を通じて影響力の拡大を図っていることも念頭に、インフラ投資は透明性や対象国の財政健全性など国際スタンダードにかなったものとする必要があるなどと訴えることにしています。
首脳会議は、18日の閉幕に合わせて討議の成果を盛り込んだ首脳宣言が採択される予定で、米中の対立が深まる中で地域の成長に向けた協調姿勢をどこまで明確に示せるかが焦点です。
-- NHK NEWS WEB