APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議を前にアジア太平洋地域の財界のリーダーなどが集まった会合では中国の習近平国家主席やアメリカのペンス副大統領のほかにもAPEC参加国の首脳たちが相次いで演説し、それぞれの主張や考えを明らかにしました。
このうちオーストラリアのモリソン首相は地域的にも歴史的にもつながりが深い太平洋島しょ国との関係について「われわれとは家族だ」と表現し連携や協力をさらに深めていく考えを強調しました。
そのうえで島しょ国のインフラ開発に対する支援の在り方について「インフラ整備への投資は透明性があって厳格な基準を満たし、ニーズにもあったものでなければならず、債務負担も避けるべきだ」と訴え、中国が、多額の債務によって大規模なインフラ支援を急ピッチで進めていることを批判しました。
モリソン首相の発言の背景には中国による支援が太平洋島しょ国に対する軍事的な影響力の拡大にもつながるのではないかという懸念があるとみられます。
また、マレーシアのマハティール首相は人工知能の開発などIT技術の発達によって雇用が減るおそれがあることを指摘し、新しい時代に対応した能力を身につけることができる教育の普及を急ぐ必要があるという認識を示しました。
そのうえでマハティール首相は「技術の発達がもたらす影響をどうコントロールしていくか、国際的なレベルで協力しなければならない」と訴えて雇用を守ることや新しい教育を開発し、普及させる取り組みについて各国の政府や企業が協力することを呼びかけました。
-- NHK NEWS WEB