太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国の最高裁判所は韓国人の元徴用工ら5人が、三菱重工業に損害賠償を求めている裁判の判決を今月29日に言い渡すと発表しました。新日鉄住金に対する先月の判決に続いて再び日本企業に賠償を命じる可能性が高く、日韓関係への影響は避けられない見通しです。
この裁判は、太平洋戦争中に広島の工場で働いていた韓国人の元徴用工ら5人が「強制連行されたうえに被爆し、そのまま放置された」として、三菱重工業を相手取って、2000年5月に起こしたものです。
韓国の高等裁判所は、2013年7月、現在のレートで1人当たり、日本円でおよそ800万円の損害賠償を支払うよう三菱重工に命じる判決を言い渡し、三菱重工側が上告していました。
この裁判について、韓国の最高裁判所は判決の言い渡しを今月29日に行うと発表しました。
韓国の最高裁は先月30日、太平洋戦争中に「徴用工として日本で強制的に働かされた」と主張する韓国人4人について、1人当たり日本円でおよそ1000万円の損害賠償を支払うよう新日鉄住金に命じる判決を言い渡したばかりで、再び日本企業に賠償を命じる可能性が高いとみられています。
さきの判決を受けて、日本政府は1965年の国交正常化に伴う請求権・経済協力協定で「完全かつ最終的に解決済みであり、国際法に違反している」と強く反発し、韓国政府に適切な措置を講じるよう求めています。
一方で韓国政府は「司法の判断を尊重する」としたうえで、対応策を取りまとめる姿勢を示していますが、日韓関係への影響は避けられない見通しです。
-- NHK NEWS WEB