日産自動車のカルロス・ゴーン会長(64)が有価証券報告書にみずからの報酬を実際より50億円余り少なく記載していたとしてグレッグ・ケリー代表取締役(62)とともに金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
逮捕されたのは日産自動車の会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)と代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)で、東京地検特捜部は横浜市にある日産の本社などを捜索しています。
東京地検特捜部によりますとゴーン会長らは平成23年3月期から平成27年3月期までの5年間のゴーン会長の報酬が、実際には合わせて99億9800万円だったのに、有価証券報告書には49億8700万円と50億円余り少なく記載していたとして金融商品取引法違反の疑いが持たれています。
ゴーン会長は日産自動車の有価証券報告書で毎年、役員報酬を公開していて、平成22年度から26年度にかけては毎年、10億円前後の報酬を受け取ったと記載していました。
しかし日産自動車は19日、ゴーン会長が開示されるみずからの報酬額を少なくするため、長年にわたって実際の報酬額より減額した金額を有価証券報告書に記載していたことや、会社の資金を私的に支出するなどの複数の重大な不正行為が認められると明らかにしていて、こうした不正にはケリー代表取締役が深く関与していたと発表していました。
特捜部は捜索で押収した資料などを分析し、トップが関わったとされる不正の実態解明を進めるものとみられます。
-- NHK NEWS WEB