相次ぐ豪雨災害に備えて、徳島県は大規模水害に特化した消防部隊を全国で初めて創設する準備を進めていて、20日、部隊の中心となる水陸両用車が公開されました。
この水陸両用車は、全長4.8メートル、総重量3.3トンの大型車両で、車両後部の2基のスクリューで水上を船のように移動できる一方、陸上をキャタピラー走行できる性能も備えています。
豪雨で浸水したり土砂が流れ込んだりして近づくのが困難な場所でも孤立した被災者の救助や物資の輸送などにあたることができます。
20日は徳島県北島町の河原で水陸両用車が初めて公開され、消防隊員などおよそ80人が集まりました。
はじめにメーカーの担当者が陸上走行モードと水上走行モードをスイッチで切り替えられることなど車両の性能を説明しました。
このあと消防隊員が車両に乗り込み、河原の砂利道を走行し、そのまま川の中に入って陸上でも水上でも走行できることを実際に確かめていました。
徳島県は、この車両を中心に、全国で初めての大規模水害に特化した消防部隊を創設することにしていて、車両は今後、回転灯の設置など改良が加えられ、来年3月に正式に配備される予定です。
試験走行を行った消防隊員の1人は「船や車だけでは到達できない被災者のもとにたどりつくことができる。訓練を重ねて少しでも多くの人を助けられるようにしたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB