山口県周防大島町と本州側を結ぶ橋に貨物船が衝突し大規模な断水が起きて22日で1か月です。家庭で水道を利用できるのは来月上旬の見通しで、住民は疲労の色が濃く、地域経済にも大きな影響を及ぼしています。
周防大島町では、先月22日、本州側の柳井市と結ぶ大島大橋に外国船籍の貨物船が衝突して、送水管などが破断し、ほぼ全域のおよそ9000世帯で断水が起きて、22日で1か月です。
町の内外で給水活動が続けられ、住民は水の入った重い容器を毎日運ばなけれならない生活です。
それでも、風呂や洗濯の水の確保は難しく、入浴施設やコインランドリーに通わざるをえないなど、身体的、経済的な負担が増して疲労の色が濃くなっています。
損傷した橋は車の通行制限が続いて、人の往来や物流の大きな妨げになっていて、町では観光客が激減するなど地域経済に大きな影響を及ぼしています。
この先の見通しですが、橋の通行制限をすべて解除できるのは、今月30日となる方針を山口県は示しています。
また、ほとんどの家庭で水道を利用できるのは来月8日までかかる見通しです。
さらに、今回の事故では橋や送水管の復旧工事だけで28億円の費用が見込まれますが、被害の全体像は分かっていません。
また、貨物船を所有するドイツの船会社も具体的な賠償の考えは明らかにしておらず、企業や個人の損害が補償されるのかは不透明な状況で、復旧したあとも影響は続きそうです。
-- NHK NEWS WEB