日産自動車のカルロス・ゴーン前会長は、会社側に海外の住宅を提供させていたことが分かっていますが、この住宅を購入したオランダの子会社は実体がなく、登録されている住所に会社の事務所もないことが関係者への取材でわかりました。
日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者は、有価証券報告書にみずからの報酬を50億円余り少なく記載していたとして、代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者とともに金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
ゴーン前会長は、業務上の正当な理由がないのに会社側に海外の住宅を提供させていたことも分かっていますが、この住宅を購入したオランダの子会社は、会社としての実体がないことが、関係者への取材で分かりました。
この会社は、登録上ではアムステルダムにある日産の別の子会社と同じ住所にありますが、広報担当者はNHKに対して「問題となっている会社の存在は全く知らなかった。会社の事務所はここにない」と明らかにしました。
地元の商工会議所などの資料によりますと、この会社は2010年に設立され、設立から1年ほどはゴーン前会長が代表を務め、現在はケリー前代表取締役が代表を務めているとみられますが、広報担当者は「社員や代表とされる人たちの姿も見たことがない」と話しています。
-- NHK NEWS WEB