アメリカや日本などは、中国などの新興国が自国の産業を不当に優遇する政策をとれないように、国際的な貿易ルールを監視するWTO=世界貿易機関を改革する案を提出しています。中国政府の高官は会見で、発展途上国の意見も重視すべきだと述べて反発しました。
日本とアメリカ、それにEU=ヨーロッパ連合は、中国など新興国の不当な貿易ルールなどを厳しく監視するため、WTOを改革する案を提出しています。
中国などが自国の産業を優遇する補助金を与えて外国企業を差別するような場合には、罰則を設けるよう求めています。
これについて、中国商務省で貿易問題などを担当する王受文次官は23日に記者会見を開き、改革に反対する中国の立場を説明しました。
王次官は「WTO改革は、発展途上にあるメンバーの利益を保障し、グローバル化の中で直面している困難を解決するものでなければならない」と述べ、発展途上国や新興国の意見を重視すべきだという考えを強調しました。
中国と激しい貿易摩擦を引き起こしているアメリカは、中国政府の補助金によって過剰に生産された鉄鋼が安く輸出され、市場をゆがめていると批判を強めています。
23日の王次官の発言は、中国はまだ発展途上にあり、自国産業への優遇策が必要だという立場を示したものです。
-- NHK NEWS WEB