台湾では24日、1年余り後に迫った総統選挙の前哨戦とされる統一地方選挙が行われ、与野党は23日夜、各地で大規模な集会を開いて支持を訴えました。
台湾では24日、全土の22の市長や知事などを決める統一地方選挙が行われ、次の総統選挙が再来年初めに迫る中、与党・民進党が市長と知事合わせて13の現有ポストをどれだけ守れるかが焦点となっています。
年金などの改革に対する強い反発に加え、民進党政権に批判的な中国からの厳しい締めつけで先行きが不透明となる中、蔡英文総統の支持率は低迷していて、民進党は最大野党・国民党に激しく追い上げられています。
蔡総統は選挙戦最終日の23日夜、台北市内の集会で、中国が台湾への圧力を強めていることなどを念頭に、「台湾の民主主義は大きな危機にさらされている。民主主義と主権を守るためには立ち上がって投票するしかない」と支持を訴えました。
一方、国民党の馬英九前総統は、台北市内の集会で、「民進党は中国との関係をこうちゃくさせ、経済に悪影響を与えた。今回の選挙はただの地方選挙でなく、蔡総統への信任投票だ」として、国民党の候補に投票するよう呼びかけました。
今回の選挙では、東京電力福島第一原発の事故のあとから続く福島県など5つの県からの食品の輸入規制を継続するかどうかなど10件の住民投票も行われ、台湾の有権者がどのような選択をするのか注目されます。
-- NHK NEWS WEB