台湾で24日行われた統一地方選挙で、与党・民進党は、強固な地盤としてきた南部の高雄など現有ポストを大幅に減らして大敗し、蔡英文総統は、責任をとって党のトップを辞任する考えを示しました。
台湾全土の22の市長や知事などを決める統一地方選挙は、再来年初めに迫る次の総統選挙の前哨戦とされ、24日夕方から開票作業が続いています。
年金などの改革に対する強い反発に加え、民進党政権に批判的な中国からの厳しい締めつけで先行きが不透明となる中、蔡総統の支持率は低迷していて、今回の選挙では、与党・民進党が13の現有ポストをどれだけ守れるかが焦点となっていました。
しかし、およそ20年にわたり市長ポストを守ってきた南部の最大都市・高雄を含む複数の自治体で民進党の候補が敗北を宣言し、民進党は現有ポストを大幅に減らして大敗しました。
これを受けて蔡総統は党本部でメディアを前に、選挙結果の責任をとって党のトップである主席を辞任する考えを示したうえで、「われわれの努力が足りなかった。一緒に頑張ってくれたすべての支持者たちを失望させたことに心から謝罪しなければならない」と述べました。
蔡総統は、総統の職にはとどまりますが、党主席を辞任することで再来年初めに迫る次の総統選挙で立候補への道が閉ざされる可能性が高まり、求心力の低下は避けられない状況です。
-- NHK NEWS WEB