日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が逮捕された事件で、日産の投資資金がオランダの子会社から租税回避地=タックスヘイブンにある複数の孫会社に移され、ゴーン会長の海外の高級住宅の購入費用などに充てられていた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。東京地検特捜部は資金の流れを隠す狙いがあったとみて詳しい経緯を調べています。
日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン容疑者(64)は有価証券報告書にみずからの報酬を少なく記載していたとして、側近の代表取締役だったグレッグ・ケリー容疑者(62)とともに金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
ケリー前代表取締役は側近の執行役員に指示して平成22年にオランダの子会社を設立させ、この会社には日産の投資資金およそ60億円が出資されたことが分かっています。
関係者によりますと、このうち20億円余りはオランダの子会社からタックスヘイブンのバージン諸島にある複数の孫会社にいったん移され、ゴーン会長のブラジルやレバノンの高級住宅の購入や改装の費用に充てられていたということです。
特捜部はタックスヘイブンの孫会社に資金を移すことで取り引きの実態や資金の流れを隠す狙いがあったとみて詳しい経緯を調べています。
-- NHK NEWS WEB