台湾で24日行われた統一地方選挙で、与党・民進党は、強固な地盤としてきた南部の高雄など7つのポストを失って大敗し、蔡英文総統は、責任をとって党のトップを辞任しました。
台湾全土の22の市長や知事などを決める統一地方選挙は、1年余りあとに行われる総統選挙の前哨戦とされ、与党・民進党は、高雄や台中など13あったポストを7つ減らして大敗し、最大野党・国民党は、6つのポストから9つ増やして大きく躍進しました。
このうち、20年間、民進党が担ってきた高雄市長に当選した国民党の韓国瑜氏は、「台湾の民主史上、すばらしい一幕だ」と勝利を宣言しました。
今回の選挙は、蔡英文政権による年金などの改革に対する強い反発に加え、民進党政権に批判的な中国からの厳しい締めつけで先行きが不透明となる中、蔡政権への不満が表れた形となりました。
選挙で大敗したことを受けて、蔡総統は記者会見を開き、「一緒に頑張ってくれたすべての支持者たちを失望させたことに心から謝罪しなければならない」と述べて、責任をとって党のトップを辞任しました。
蔡総統は、総統の職にはとどまりますが、党のトップを辞任したことで1年余りあとに迫る総統選挙の立候補への道が閉ざされる可能性が高まり、求心力の低下は避けられない状況です。
-- NHK NEWS WEB