「ゴーン・ショック」とも呼ばれる日産自動車、カルロス・ゴーン前会長の突然の逮捕。日産内部ではことし3月ごろから監査役や役員などごく少数のメンバーがゴーン前会長をめぐる不透明な資金の流れについて極秘で調査を行っていたことが関係者への取材でわかりました。前会長の側近の協力も得て、東京地検特捜部に資料を提出し逮捕に至ったということです。
日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン容疑者(64)は、有価証券報告書にみずからの報酬を少なく記載していたとして、金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
関係者によりますと、ゴーン前会長は有価証券報告書にうその記載をする意図はなかったなどとして容疑を否認しているということです。
特捜部の捜査は日産側からの情報提供がきっかけで行われましたが、日産内部ではことし3月ごろから監査役や役員などごく少数のメンバーがゴーン前会長をめぐる不透明な資金の流れについて極秘で調査を行っていたことが関係者への取材でわかりました。
関係者によりますと、このメンバーは日産が60億円を出資しゴーン前会長の海外の高級住宅を購入していたオランダの子会社の資金の流れなどに疑問を持ち、調査を進めていたということで、不正の実行役とみられる外国人の執行役員に近く日本で導入が決まっていた司法取引の制度を説明し、調査への協力を得ていたということです。
そして日産側は逮捕の半年前の6月ごろ、東京地検特捜部に相談し、調査で得たゴーン前会長のメールなどの内部資料を提出したということで、調査に協力した執行役員は特捜部との間で司法取引に合意したということです。
そして日産側からの情報提供や司法取引の合意が今月19日のゴーン前会長の逮捕に至ったということです。
NHKの取材に対し日産の関係者は「ゴーン前会長の不正の内部通報があった時期とほぼ同時に、監査役からの指摘もあり、海外の子会社の調査も行っていた」と説明しています。
-- NHK NEWS WEB