深刻な人手不足などを受けてガソリンスタンドの運営が難しくなる中、石油元売り大手「コスモエネルギーホールディングス」は、AI=人工知能の技術を活用してセルフ式のスタンドの運営を効率化する実証実験を始めました。
ガソリンスタンドは、深刻な人手不足や需要の減少で、廃業するところが相次ぎ、その数は昨年度で全国およそ3万か所と、この20年余りで半減しています。
こうしたことから、「コスモエネルギーホールディングス」は、少ない人手で運営できるセルフ式のスタンドをさらに効率化しようと、ベンチャー企業などと共同で、AIの技術を活用した実証実験に乗り出しました。
セルフ式のスタンドでは利用者がみずから給油を行いますが、そのつど、事務所にいるスタッフが利用者の様子を目で見て、安全かどうか確認し、給油の許可を出すことが法令で義務づけられています。
実証実験ではカメラで撮影した画像から利用者の動きをAIが読み取り、人の代わりに給油の許可を判断することを目指していて、実用化すれば、より少ない人員でスタンドを運営できます。
実証実験を補助している経済産業省は、実験の結果を検証したうえで、実用化に向けた規制の見直しを関係者と協議することにしています。
実証実験を担当する「コスモ石油マーケティング」の久坂有史拠点開発グループ長は「AIを活用することで、安全性を高めながら、効率化を図ることも目標にしたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB