金融商品取引法違反の疑いで逮捕された日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が東京地検特捜部の調べに対して容疑を否認し、「有価証券報告書に記載する自分の報酬額は日産が会社として決めたことで不正をしたという認識はない」という趣旨の説明をしていることが関係者への取材で分かりました。
日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン容疑者(64)は、有価証券報告書にみずからの報酬を少なく記載していたとして、金融商品取引法違反の疑いが持たれています。
東京地検特捜部の調べに対しゴーン前会長は容疑を否認していますが、ゴーン前会長が「報告書に記載する自分の報酬額は日産が会社として決めたことで不正をしたという認識はない」という趣旨の説明をしていることが関係者への取材で新たに分かりました。
関係者によりますとゴーン前会長の報酬は毎年20億円程度と日産内部で取り決めていましたが、報告書には毎年10億円程度と記載し、差額は退任後に受け取る仕組みにしていた疑いがあるということです。
金融商品取引法などでは将来的に受け取る報酬でも、その金額が確定した段階で有価証券報告書に記載する必要があるとしていて、東京地検特捜部は退任後の報酬であっても報告書に記載する必要があったと判断しているものとみられます。
これに対しともに逮捕された前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者は(62)「退任後の報酬は正式に決まっていた訳ではないので、記載の必要はない」などと説明しているということです。
今後、ゴーン前会長の退任後の報酬が報告書への記載が必要な報酬だったかどうかが焦点になります。
-- NHK NEWS WEB