日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が逮捕された事件を受けて、かつて日産自動車などで非正規雇用で働き、雇い止めにあったという男性2人が都内で記者会見を開き、「多くの労働者を犠牲にした役員報酬で違法な行為があったというのは非常に残念な思いだ」などと現在の心境を語りました。
記者会見を開いたのは、日産自動車や子会社の日産車体で働いていて、10年前のリーマンショックのあと雇い止めにあったという男性2人です。
日産自動車の神奈川県厚木市にあるテクニカルセンターで5年余り派遣社員として車のデザインの仕事をしていたという55歳の男性は今回の事件について「役員報酬は雇い止めをされた多くの労働者が犠牲になったお金だと思う。違法な行為があったというのは残念な思いだ」と現在の心境を語りました。
そのうえで「働いていた当時もゴーン前会長がひと言言えばそれに逆らえない状況があった。日産ではまだ多くの人が働いていて、ここで本当にまともな会社になってほしい」と話していました。
日産車体の平塚市にある工場で期間従業員として組み立ての仕事をしていたという41歳の男性は「雇い止めをされたあと、この10年間アルバイトで働き、年収も200万円に満たない中、非常につらい毎日を過ごしてきた。その生活をよそにゴーン容疑者が逮捕されるような行為をしていたことに強い憤りを感じている」と怒りをあらわにしていました。
-- NHK NEWS WEB