金融商品取引法違反の疑いで逮捕された日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が、退任後に巨額の報酬を受け取ることで会社側と合意したとする文書の存在を認めたうえで、「文書にはサインをしていない」などと説明し容疑を否認していることが関係者への取材でわかりました。
日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン容疑者(64)は、平成26年度までの5年間、有価証券報告書にみずからの報酬を50億円余り少なく記載していたとして、金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
関係者によりますとゴーン前会長は、毎年の報酬を20億円程度としたうえで、報告書には10億円程度と記載し、差額は退任後に受け取ることで会社側と合意していたということです。
ゴーン前会長は特捜部の調べに対し、退任後に報酬を受け取ることで会社側と合意したとする文書の存在を認めたうえで、「文書にはサインをしておらず、退任後の報酬は正式には決まっていなかった」などと説明していることが関係者への取材で新たにわかりました。
また、「合法的に進めてくれと弁護士でもある前代表取締役に頼んで決めたことで、『合法です』という回答も得ていた」などと主張し容疑を否認しているということです。
東京地検特捜部は、退任後の報酬であっても金額が確定した段階で報告書に記載する必要があったと判断し、詳しい経緯を調べているものとみられます。
-- NHK NEWS WEB