輸出が認められていない和牛の受精卵を、中国に不正に持ち出そうとした事例があったことが分かりました。中国の税関を通過できず、日本国内で没収されましたが、農林水産省は対策を強化する方針です。
農林水産省・動物検疫所によりますと、ことし7月、男性が和牛の受精卵が入った容器を中国に持ち出そうとしましたが、現地の税関を通過できず、日本に持ち帰ったということです。男性は帰国した際に税関に申し出て、容器は没収されました。
動物検疫所の聞き取りに対して「知人に頼まれた。違法とは知らなかった」と話しているということです。
和牛の受精卵は家畜伝染病予防法で輸出が認められておらず、不正に持ち出そうとする事例が明らかになるのは初めてだということです。
動物検疫所によりますと、動物などの持ち出しに必要な検査は、申告制で、申告がなければ持ち出しを把握できないこともありうるとしています。
農林水産省は「和牛は日本固有のものであり、海外での生産が広がれば輸出にも影響する」として、今回の事例について航空会社に連絡するなど対策を強化する方針です。
-- NHK NEWS WEB