27日に衆議院を通過した外国人材の受け入れを拡大するための法案は、28日から参議院で審議が始まりました。安倍総理大臣は、今の国会で法案を成立させ、来年4月から新たな制度を導入する必要性を強調しました。
来年4月から外国人材の受け入れを拡大するための法案は28日から参議院で審議が始まり、夕方から開かれた参議院本会議で、山下法務大臣の趣旨説明に続いて、安倍総理大臣も出席して、質疑が行われました。
この中で、公明党は、技能実習制度について、「給与の未払い、失踪などさまざまな問題が指摘されてきたが、原因を徹底的に究明し、適切な対策を実施すべきではないか」と質問しました。
これに対し、安倍総理大臣は「法令違反や失踪といった問題が生じている事態を重く受け止めている。受入れ企業に対する実地検査などに加え、出入国在留管理庁のもとで在留管理を抜本的に強化する取り組みを通じ、制度の適正化と実習生の保護を図っていく」と述べました。
一方、立憲民主党は「昨夜、衆議院で採決が強行されたことに強い怒りをもって抗議する」としたうえで、「なぜ拙速に来年4月の制度の導入を目指すのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「人手不足の状況は深刻な問題となっており、対応は待ったなしだ。喫緊の課題であることから、可能なかぎり、早急に新たな受入れ制度を実施する必要がある」と述べ、今の国会で法案を成立させ、来年4月から新たな制度を導入する必要性を強調しました。
また、安倍総理大臣は、地方の人手不足の解消について、「解消策は、政府全体で取り組むべき課題だと認識しており、必要な施策を検討していく」と述べたほか、受け入れ企業に代わって外国人を支援する「登録支援機関」をめぐり、「出入国や労働に関する法令の前科がある場合などは登録の時点で排除する」と述べました。
一方、国民民主党は、質疑の中で、党独自の対案を速やかに提出する方針を示しました。
-- NHK NEWS WEB