内戦が続くシリアから逃れて、マレーシアの空港で7か月にわたって足止めされ、ターミナルで寝泊まりしていたシリア人男性が難民としてカナダで永住権を与えられ、バンクーバー国際空港に到着しました。
難民としてカナダ政府から永住権を与えられたのは、シリア人のハッサン・コンタルさんです。
コンタルさんは、シリア内戦が始まった2011年にはUAE=アラブ首長国連邦で働いていましたが、シリアでの兵役を拒否したことで強制送還されそうになり、マレーシアに逃れました。
ビザが失効したことし3月から7か月にわたってマレーシアの国際空港で足止めされ、ターミナルで寝泊まりしながら航空会社から提供された機内食を食べるなどして生活してきました。
コンタルさんは、トイレで体を洗ったり髪を切ったりする様子をSNSに投稿して空港での暮らしぶりを発信すると、話題になりました。
コンタルさんはこの2か月間、入国管理当局の施設に収容されていましたが、カナダの人権団体が、カナダ政府に対し入国を認めるよう求める嘆願書を出すなどの働きかけを続けた結果、難民として永住権を与えられることになりました。
27日、バンクーバー国際空港に降り立ったコンタルさんは出迎えに来た人たちと抱き合って、感謝の気持ちを伝えました。
コンタルさんは「私に子どもができた日には、カナダの人々が私を助け、人生を変えてくれたことを忘れてはいけないと伝えたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB