気温が高すぎて屋外で働けないなど、去年1年間に猛暑が原因で失われた労働時間は世界で1530億時間に上るとする推計を、気候変動の研究者などで作るグループがまとめました。
イギリスの医学雑誌「ランセット」は28日、地球温暖化が人々の健康や生活に与える影響を分析した、ことしの報告書「ランセット・カウントダウン」を公表しました。
この中で、スウェーデンなど各国の研究者でつくるグループは、気温が高すぎて屋外で働けないなど、世界では去年1年間に1530億時間の労働時間が、猛暑が原因で失われたとみられるという推計を明らかにしました。
この8割は農業分野で、2000年と比べて620億時間長くなり、地域ではインドや東南アジア、それにアフリカで影響が深刻だとしています。
また、異常気象に伴う災害の被害額は、去年1年間に世界で3260億ドル(日本円でおよそ37兆円)に上り、前の年のおよそ3倍になったとしています。
報告書の中でイギリスの研究者は「気候変動への対応が人々の将来の健康を大きく左右する」として、各国や企業に取り組みの強化を求めています。
-- NHK NEWS WEB