アメリカ政府は、イランが国連安保理の決議に違反して、イエメンなどの武装勢力に輸出したとするミサイルや無人機の残骸を公開し、各国にイランへのさらなる制裁の強化を訴えました。
アメリカ政府は29日、首都ワシントンにあるアメリカ軍基地に報道陣や各国の大使館員を招き、イランの軍事企業が製造したものだとする武器の残骸や装置など、およそ50点を公開しました。
国防総省の当局者は、これらの一部は内戦が続くイエメンで、イランが支援する反政府勢力「フーシ派」のミサイルや無人機の残骸だとし、さらに武器にペルシャ語の刻印があることから、イラン製の証拠だと指摘しました。また、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンが使ったとするロケット弾の残骸についてもイラン製だと主張しています。
国務省でイラン政策を担当するフック特別代表があいさつし、イランは国連安全保障理事会の決議に違反して、周辺の武装勢力に武器の輸出を続けていると非難しました。
そのうえで、フック特別代表は「これらの武器は法を無視した体制が、好き勝手に武器を輸出していることを示している。ヨーロッパなどすべての国が制裁を強化すべきだ」と訴えました。
トランプ政権は今月、イラン産原油の禁輸などの制裁を発動させたばかりで、イランの武器が地域の脅威になっていると強調することで、各国にさらなる制裁の強化を求める狙いとみられます。
-- NHK NEWS WEB