アルゼンチンで開幕したG20サミットは、世界経済や貿易などをテーマに討議を行い、初日の日程を終えました。安倍総理大臣は、米中の貿易摩擦を念頭に、「保護主義や貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもならない」と述べ、世界経済の成長に向けて、多角的貿易体制の強化や改善などに取り組む考えを強調しました。
主要20か国の首脳らが出席してアルゼンチンの首都、ブエノスアイレスで開幕したG20サミットは、世界経済や貿易、それに、地球温暖化などをテーマに討議を行い、日本時間の1日未明、初日の日程を終えました。
この中で、安倍総理大臣は、米中の貿易摩擦が激しさを増していることを念頭に、「貿易をめぐる緊張の高まりは世界経済の深刻なリスクだ。自由で開かれた経済は、平和と繁栄の礎であり、保護主義や貿易制限措置の応酬は、どの国の利益にもならない」と訴えました。
そのうえで、自由貿易の旗手として、ルールに基づく多角的貿易体制の強化・改善や、経済連携協定を推進していく考えを強調しました。
これに対し、一部の国から、現在の貿易の緊張関係への懸念が示されたほか、自由貿易体制への支持をしっかり確認すべきだといった意見が出されました。
さらに、安倍総理大臣は、中国を念頭に、公正な競争を妨げる国有企業への補助金の撤廃や、各国の産業にも影響を及ぼしている鉄鋼製品の過剰生産などの是正に、各国が一致して取り組むよう求めたほか、地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」の着実な実施の重要性を指摘しました。
また、討議では、サウジアラビア人のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が殺害された事件や、緊張が高まっているウクライナ情勢などをめぐっても意見が交わされたということです。
G20サミットは、2日間の日程で討議が行われることになっていて、日本時間の2日閉幕する予定です。
-- NHK NEWS WEB