東京オリンピック・パラリンピックに向けて、エスカレーターに「立ち止まって乗る」安全な利用方法を広めようと、ステップに足形を描くなどデザインで訴える試みが東京 品川区の商業施設で始まりました。
エスカレーターは転倒や転落を防ぐために立ち止まって乗るのが正しい乗り方ですが、歩く人のために片側をあける習慣が広まり、立ち止まりたい障害者やお年寄りなどが利用しづらい状況が続いています。
今回の試みは、この習慣をどうしたら変えられるのかを研究している文京学院大学の学生たちがJR目黒駅にある商業施設などの協力を得て始めました。
上りのエスカレーターのステップには、白い足形を左右に2組ずつ描いているほか、垂直の面には歩く人に赤の斜線を施したデザインを描き、左右どちらも止まって乗るよう訴えています。
現場では聞き取り調査も行われ、60代の女性は「安心して乗れたが老眼なのでもう少しはっきりした色にしてほしい」と答えていたほか、会社員の男性は「『歩くな』とはっきり書かれたほうがわかりやすい」と指摘していました。
試みは今月いっぱい行われ、デザインを施す前と後でエスカレーターを歩く人の数を比較するということです。
試みを企画した大学3年生の橋本知佳さんは「自然と立ち止まってもらえるデザインを心がけています。安全な乗り方を広めるために改善点を見つけたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB