アルゼンチンを訪れている麻生副総理兼財務大臣は現地で記者会見し、来年、日本で開かれるG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議で、米中の貿易摩擦の背景にある経常収支の不均衡の問題などを議題とすることを正式に発表しました。
アルゼンチンで開かれていたG20サミットが閉幕し、議長国がアルゼンチンから日本に移りました。
これを受けて麻生副総理兼財務大臣が記者会見し、来年6月8日と9日に福岡市で開かれるG20の財務相・中央銀行総裁会議で取り上げる主要な議題を明らかにしました。
それによりますと、まず米中の貿易摩擦の背景にある経常収支の不均衡の問題を取り上げ、不均衡の解消に向けては2国間の貿易交渉ではなく、多国間で協調して対応すべきだという議論の枠組みを、日本が主導する形で整備したいとしています。
また、中国がインフラ開発を進める新興国に巨額の融資を行った結果、返済に行き詰まり開発が頓挫するケースが出ていることから、貸し付けの透明性を高めるルール作りも議題とする方針です。
このほか、高齢化が世界経済に与える影響の検証や、質の高いインフラへの投資、グローバルに活動している大手IT企業への課税についても議論することにしています。
麻生副総理は会見で、「各国の財務大臣や中央銀行総裁は、世界経済の行く末に責任があり持続可能な経済成長の基盤作りに向けた活発な議論を期待したい」と抱負を述べました。
-- NHK NEWS WEB