全国で唯一「ポケットベル」を使った無線呼び出しサービスを展開している東京の通信会社が、来年9月末でサービスを終了することが分かりました。携帯電話やスマートフォンが普及する中、ことし、登場から50年の節目を迎えたポケットベルは、来年、役割を終え、姿を消すことになります。
ポケットベルを使った無線呼び出しサービスは、昭和43年に当時の電電公社が開始しました。数字が表示できるようになってからは、「0840」で「おはよう」などといった語呂合わせでメッセージを送る使い方が若い世代を中心に広がり、最盛期の平成8年には契約数が1000万台を超えていました。
その後、携帯電話の普及に伴って事業者の撤退が相次ぎ、現在は、東京の通信会社、「東京テレメッセージ」1社が関東のおよそ1500人にサービスの提供を続けています。
電磁波が発生せず、建物の中でも電波を受信しやすい特性があることから、主に医療関係者が使用しているということです。
しかし、この会社では、平成25年を最後に新規の利用の受け付けを終えていて、今後も収益が見込めないとして、来年9月末でサービスを終了することを決めました。
これからは、ポケットベルで使っている電波を活用した自治体向けの防災無線の事業を強化するとしています。
東京テレメッセージの清野英俊社長は、「これまで端末を大切に使い続けてくれた人たちのおかげでサービスを継続できた。感謝の気持ちでいっぱいだ。今後は日本の防災を支えるのに役立ちたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB