アメリカは、現在、中国に自動車を輸出する際に40%の関税を課されていますが、トランプ大統領は、中国がその関税を引き下げることを決めたと明らかにし、アメリカの自動車産業を守る姿勢をアピールしたいものとみられます。
トランプ大統領は、2日、ツイッターに、「中国が、アメリカから輸入する自動車に対する関税の引き下げや撤廃に応じた」と書き込み、中国がアメリカ製の自動車に課している40%の関税を引き下げることで米中が合意したと明らかにしました。
中国によるアメリカの自動車に対する関税をめぐっては、アメリカのライトハイザー通商代表が高すぎると批判し、あらゆる対抗策を検討すると表明していました。
このため、1日に行われたトランプ大統領と習近平国家主席の首脳会談の結果、アメリカが、中国からの輸入品に対する関税を来年1月に引き上げる制裁措置を、一時、見送ることにしたのは、中国がこの自動車関税引き下げに応じたことが1つの要因だったとみられます。
アメリカの自動車産業では、最大手のメーカー、GM=ゼネラル・モーターズが北米にある5つの工場を閉鎖するのは米中の貿易摩擦の影響があると指摘されていただけに、トランプ政権としては、中国の関税引き下げをみずからの強硬姿勢の成果と位置づけ、自動車産業を守る姿勢をアピールしたいものとみられます。
-- NHK NEWS WEB