「武田薬品工業」がおよそ6兆8000億円でアイルランドの製薬大手「シャイアー」を買収する計画について、創業家の1人が「リスクが高すぎる」として5日の臨時株主総会で、反対票を投じる考えを明らかにしました。
製薬業界で国内最大手の武田薬品は、アイルランドの製薬大手「シャイアー」をおよそ6兆8000億円で買収する議案を5日、大阪市で開く臨時の株主総会に諮ります。
これについて、創業家の1人で武田薬品の元部長の武田和久氏(78)が3日、日本外国特派員協会で記者会見し、「借入額が大きく、財務面のリスクが高すぎる」として、議案に反対する考えを明らかにしました。
武田氏によりますと、同じく創業家の出身で平成5年から21年まで社長や会長を務めた武田国男氏(78)も、同様の理由で買収に反対しているということです。
創業家が保有する武田薬品の株式の割合は数%とみられますが、記者会見した武田氏は個人の株主などにも反対票を投じるよう呼びかけたいとしています。
武田薬品によるシャイアーの買収は、実現すれば日本の企業による海外企業の買収としては最大の規模となる見込みで、武田薬品は「買収は戦略的かつ経済的に十分な根拠があり、メリットをもたらすものだと確信しています」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB