遺灰を納めたカプセルを人工衛星に載せてロケットで打ち上げる宇宙葬が4日未明アメリカで行われました。日本人の遺灰も納められ、都内では遺族が中継映像で打ち上げの様子を見守りました。
この「宇宙葬」はアメリカのベンチャー企業「エリジウムスペース」が初めて実施したもので、希望を受けて、亡くなった人の遺灰を大きさ1センチほどの四角いカプセルに納め、超小型衛星に載せて打ち上げます。
衛星は地球の周りを数年回ったあと大気圏に突入して燃え尽きます。
今回は日本人30人を含む150人の遺灰が日本時間の4日午前3時半過ぎ、アメリカ カリフォルニア州の空軍基地から打ち上げられました。
東京 港区の自宅で打ち上げの様子をインターネットの中継映像で見守った神原賢治さん(80)は、12年前に当時37歳だった次女の尚子さんを病気で亡くし、今回、遺灰の一部をカプセルに納めました。
尚子さんは遺書に「宇宙葬にしてほしい」とつづっていたということです。
打ち上げを見届けた神原さんは「娘との約束を12年越しに果たすことができて胸がいっぱいです。優しく思いやりのある娘だったので、宇宙からわれわれ家族のことを見守ってくれていると思います」と次女をしのんでいました。
今回、宇宙葬を行ったベンチャー企業は、今後も希望が一定程度寄せられれば宇宙葬を実施するとし、遺灰を納めるカプセル1つの代金はおよそ30万円ということです。
宇宙葬は民間による宇宙利用の拡大で希望者が増え、ロケットで宇宙空間に到達し、そのまま地上に戻ってくる宇宙葬がすでに実施され、月面までロケットで送る宇宙葬も計画されています。
-- NHK NEWS WEB