日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が逮捕された事件でゴーン前会長の直近2年間の実際の報酬がそれぞれおよそ24億円に上っていた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。東京地検特捜部は有価証券報告書に記載していない報酬の総額は8年間でおよそ90億円に上る疑いがあるとみて捜査を進めています。
日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン容疑者(64)は、有価証券報告書にみずからの報酬を少なく記載していたとして、金融商品取引法違反の疑いで逮捕されました。
東京地検特捜部は役員報酬の開示が義務づけられた平成22年以降、ゴーン前会長が高額の報酬への批判を避けるため報告書に記載していない実際の報酬との差額を退任後に受け取ることにしていたとみて調べていますが、ゴーン前会長の昨年度までの直近2年間の実際の報酬はそれぞれおよそ24億円に上っていた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。
特捜部は報告書に記載していない逮捕容疑以外の報酬は平成27年度以降、およそ40億円に上り、8年間でおよそ90億円の報酬を記載していなかった疑いがあるとみて捜査を進めています。
関係者によりますと、ゴーン前会長は調べに対し「世界のほかの自動車大手のCEO=最高経営責任者の報酬を目安に20億円くらいはもらっていいと考えていた」したうえで、「退任後に受け取る報酬は正式には決まっていなかった」などと供述し容疑を否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB