中国東北部の遼寧省の幹部が過去、4年間にわたり、経済統計を実際より水増しして公表していたことを認め、中国の統計の信頼性をめぐって議論を呼びそうです。
中国共産党系の機関紙「人民日報」が18日付けの紙面で伝えたところによりますと、中国の遼寧省の陳求発省長が17日に開かれた会議で、2011年から2014年までの4年間、経済統計でうその内容を公表していたことを認めました。
具体的には、省内の市と県で、この4年間に税金などによる財政収入を実際よりも20%近く水増ししていたということで、その理由について人民日報は、「一部の幹部が自分の任期の間、業績をよく見せようとするためだけに行っていた」と伝えています。
中国では、地方が不動産開発などを通じて競うように経済成長の実績を作ろうとした結果、膨大なマンションが売れ残り企業の借金が膨らむなどの問題を抱え、習近平指導部はおととし以降、成長の速度よりも質と効率性を重視する経済運営を目指す方向にかじを切っています。
今回の遼寧省の公表は地方の官僚が出世のために過度な成長を追い求めたことを過去の出来事として批判することで、いまの改革姿勢をアピールする狙いがあると見られます。ただ、中国当局が統計の改ざんを認めるのは異例で、かねてから信頼性の低さが指摘されている中国の統計をめぐって今後、議論を呼びそうです。
-- NHK NEWS WEB