アメリカがイランに対して「最強の制裁」として、原油の禁輸措置などに踏み切って1か月となります。イランのロウハニ大統領は、制裁への対決姿勢を強調しましたが、原油の輸出量は半分以下にまで落ち込み、経済への打撃となっています。
アメリカは、イラン核合意からの離脱に伴い、先月5日からイラン産原油の禁輸措置を含めた経済制裁を発動させ、トランプ大統領は「最強の制裁」として、圧力を強めています。
制裁発動から1か月をむかえ、イランのロウハニ大統領は4日、国民向けの演説で「アメリカは、われわれがこれからも原油の輸出を続け、禁輸などできないということを認識すべきだ」と述べ、輸出を続けていく考えを強調しました。
そのうえで「アメリカが禁輸を望むならペルシャ湾から原油は一切輸出されない」と述べ、エネルギーの大動脈となっているホルムズ海峡を封鎖することも辞さないとけん制し、対決姿勢を示しました。
しかし、イランの原油輸出量は、およそ半年前のことし5月の時点で、1日当たり250万バレルだったのが、エネルギー関係を分析するイギリスの調査会社によりますと先月は半分以下となる110万バレルにまで落ち込んだということで、経済への打撃となっています。
イランは、アメリカの制裁に批判的なEU=ヨーロッパ連合に対し、制裁を回避する新たな決済システムの導入を急ぐよう要請していますが、成果は得られておらず、厳しい状況となっています。
-- NHK NEWS WEB