イギリスのメイ首相が17日、EU=ヨーロッパ連合からの離脱をめぐる交渉に向けて、域内の単一市場から撤退する意向を表明したことを受け、イギリスの主要な経済団体が相次いで声明を出し、企業活動への影響に危機感を表すとともに、EUとの交渉を有利な形で進めるよう政府に求めました。
このうち最大の経済団体、イギリス産業連盟は「単一市場からの撤退は、イギリスとEUの間にある障壁のない貿易関係を維持するうえでの選択肢を狭めるものだ」と、EU市場から離れることへの不安を表しました。そのうえで、「新たな自由貿易協定を締結し、円滑で秩序のあるEU離脱を成し遂げられるのか、政府への圧力は高まっている」としています。
また、中小企業が多く加盟するイギリス商工会議所は「多くの企業がすでに単一市場と関税同盟の両方から離れることを想定して準備を進めてきている」としたうえで、「ビジネスの世界では交渉で何を成し遂げたかが極めて重要だが、これは今後のEU離脱交渉と全く同じだ」と述べ、EUとの交渉を有利な形で進めるよう求めました。
自動車業界で作る自動車工業会も「新しい関税同盟に加わるとともに、投資や成長、消費者の選択を妨げることのない貿易協定をEUと結ぶことを求める」としたうえで、「もし、これらの協定が実現しなかった場合、イギリスの自動車産業の存続が脅かされる」と、EUとの貿易で関税がかかるようになる可能性に強い危機感を表しました。
-- NHK NEWS WEB