武田薬品工業によるアイルランドの製薬大手「シャイア−」の買収が、両社の株主総会で承認され、およそ6兆8000億円にのぼる日本の企業としては最高額となる海外企業の買収が正式に決まりました。
製薬業界で国内最大手の武田薬品は、5日、大阪市で臨時の株主総会を開き、およそ6兆8000億円を投じるアイルランドの製薬大手「シャイアー」を買収する議案を諮りました。
非公開で行われた総会の中では、クリストフ・ウェバー社長が「今回の買収によって研究開発費の資金が増加し、グローバルな競争力が強くなる」と述べて、理解を求めました。そして、採決の結果、賛成が9割近くに達して可決に必要な3分の2を大きく上回り、買収が承認されました。
一方、シャイアー側も5日、アイルランドのダブリンで株主総会を開き、武田薬品による買収を承認しました。両社の株主総会で承認を得たことによって、日本の企業としては最高額となる海外企業の巨額買収が正式に決まり、来月にも売り上げで世界でトップ10に入る製薬メーカーが誕生することになりました。
この買収をめぐっては、武田薬品の創業家の一部から「財務面のリスクが高すぎる」などとして反対する意見が出ていました。
-- NHK NEWS WEB