テニスの全豪オープンで、四大大会初制覇を目指す錦織圭選手が2回戦を突破し、順調に勝ち進んでいます。錦織選手のような力強いボールを打ちたい。そんな夢に近づくことができるスーツを広島大学などの研究グループが開発しました。身につけるとスイングスピードがアップするという夢のスーツ。どんなものなのでしょうか?
そのスーツは、広島大学の栗田雄一准教授と、岡山市の医療用品メーカーが共同で開発しました。ラケットを振る際に最も働く胸の筋肉、大胸筋をサポートする「パワードスーツ」です。
パワードスーツと言えば、一般的には重いものを持ち上げるときなどに、電動モーターなどの力で体にかかる負担を減らしてくれるものです。
栗田准教授たちは「人工筋肉」に注目し、電気を使わず、スポーツにも活用できるスーツを開発しました。人工筋肉はゴム製のチューブでできていて、中に空気を入れると縮み、縮むことで引っ張る力が生まれます。縮むときに力を発生する仕組みが筋肉と似ていることから、人工筋肉と呼ばれています。
従来、エアーコンプレッサーを使って高圧の空気を送り込まないと力が発生しませんでしたが、このパワードスーツに使われている人工筋肉は人力で発生させる程度の低い空気圧でも力を生み出せる特殊なもので、最大2キロのおもりを持ち上げる力があります。
-- NHK NEWS WEB