アメリカの要請によってカナダで逮捕された中国の通信機器大手、ファーウェイの幹部の勾留を続けるかどうかの審問がカナダの裁判所で行われ、検察当局は制裁下のイランとの取り引きをめぐる詐欺の疑いにあたると主張しました。アメリカと中国の間の新たな火種となりかねない事件の行方に注目が集まる中、結論は週明けに持ち越されることになりました。
ファーウェイのCFO=最高財務責任者の孟晩舟氏は今月1日、アメリカの要請を受けたカナダ当局によって逮捕されました。カナダ西部バンクーバーにある裁判所で7日、孟氏の勾留を続けるかどうかの審問が本人が出廷して行われました。
この中で、アメリカ政府の代理で法廷に立ったカナダの検察当局者は、孟氏の容疑について、アメリカの複数の金融機関をだましてファーウェイの関係会社によるイランとの違法な取り引きに関与させたとして詐欺の疑いがあると主張しました。
そのうえで、保釈すれば国外逃亡のおそれがあるとしてアメリカに身柄を引き渡すまで勾留を続けるよう求めました。これに対して孟氏側は、中国の信用にかかわるため国外逃亡のおそれはないとして保釈を求めました。
この日は結論が出ず、審問は週明け10日に再開されることになりました。裁判所には、審問を傍聴しようと各国の記者が200人ほど取材に訪れ、アメリカと中国の対立の新たな火種となりかねない事件の行方に世界的な注目が集まっています。
-- NHK NEWS WEB