年末年始に旅行を計画している人は注意が必要です。中国の大手旅行会社が運営する日本向けの予約サイトで、満室のはずの宿泊施設が「空室」と表示され、およそ400件に上る架空の予約受付が行われていたことが分かり、観光庁が実態調査に乗り出すことになりました。
架空予約が明らかになったのは、中国の大手旅行会社が運営する予約サイト「Trip.com」の日本語版のサイトです。
会社側の説明によりますと、この会社と契約する旅行業者が、満室などになっているこの年末年始の国内の旅館やホテル128軒をサイト上で「空室」と表示し、およそ400件に上る架空の予約受付を行っていたということです。
会社側はこの業者を取引停止にしたほか、同様の疑いがある9つの業者についても調査を進めています。
また、架空予約のうちの8割程度は宿泊施設の協力で部屋を確保できた一方、部屋が確保できなかった場合は全額返金に応じるとしています。
架空予約を行った業者は、「キャンセル待ちのリクエストを受け付けただけで宿泊予約ではない」と主張しているということですが、条件として全額を前払いさせ、高額のキャンセル料を求めるものが多いことから、宿泊施設からは「キャンセル料収入を狙って行ったのではないか」と指摘する声も出ています。
こうした海外の旅行会社は旅行業法が適用できませんが、観光庁は、国内で被害が出ていることを重く見て注意を呼びかけるとともに、実態調査に乗り出すことにしています。
NHKの取材に対して「Trip.com」側は、「関係の皆様に多大な迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます。分かりにくい表示であれば改善し、宿泊施設に対しても説明会を開いて丁寧に説明したい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB