国が主導する官民ファンド「産業革新投資機構」は、11人の取締役のうち田中正明社長ら民間から就任した9人が辞任する意向であることが分かりました。機構をめぐっては、役員報酬が高額だとして経済産業省がいったん合意した内容を撤回するなど、混乱が続いていましたが、経営陣のほとんどが辞任する見通しとなる異例の展開となりました。
関係者によりますと産業革新投資機構は、「三菱UFJフィナンシャル・グループ」出身の田中正明社長や、取締役会議長で、「コマツ」の坂根正弘相談役ら、9人が辞任する意向だということです。これによって産業革新投資機構は経営陣の11人の取締役のうち、民間から就任した全員が辞任する見通しです。
機構は午後1時から田中社長が記者会見して今回の経緯などを説明すると見られます。
ことし9月に発足した産業革新投資機構は、2兆円規模の資金を持ちベンチャー企業の育成などが期待されていましたが、役員報酬などをめぐって経済産業省との関係が悪化し、発足からわずか2か月半で経営陣のほとんどが辞任する見通しとなる異例の展開となりました。
機構に対しては所管する経済産業省が人事などを主導して決めてきただけに、役員報酬をめぐる混乱に続く今回の事態について、その責任が改めて問われることになりそうです。
-- NHK NEWS WEB