臨時国会の閉会を受けて安倍総理大臣は今夜記者会見し、最大の焦点となった外国人材の受け入れを拡大するための法律について、必要性を強調した上で、技能実習制度を含め、制度の運用に万全を期す考えを示しました。また、憲法改正について、再来年の2020年を新しい憲法が施行される年にしたいという考えに変わりはないとしながらもスケジュールは国会次第で、予断を持つことはできないと述べました。
この中で安倍総理大臣は、臨時国会で最大の焦点となった外国人材の受け入れを拡大するための法律について、「全国的な人手不足の中、優秀な外国人材にもっと日本で活躍してもらうために必要だ」と述べ、新たな制度の必要性を強調しました。
そのうえで、「直ちにしっかりとした運用体制を構築する。受け入れる人数には明確に上限を設け、期間を限定する。いわゆる移民政策ではなく、国会での議論も十分に踏まえ、技能実習制度を含め、今後、制度の運用に万全を期していく」と述べました。
さらに、安倍総理大臣は、来年度予算案の編成について、「景気への懸念を払拭し、経済の回復基調を持続させ、新しい成長軌道を生み出すために万全な対策を盛り込む。十二分の消費税対策を講じながら、来年10月からの幼児教育の無償化を実現し、未来を担う子どもたちへしっかりと投資していく」と述べました。
また、憲法改正について、「私は国民的な議論を深めていくために、一石を投じていかなければならないという思いで、『2020年を新しい憲法が施行される年にしたい』と申し上げたが、その考えに変わりない」と述べました。そのうえで、「憲法の課題は、国民のみなさまが決める上において、しっかりと議論を進めていくことが大切ではないか。具体的な改正案が示され、国民的な議論を深めることが肝要であり、そうした中から、与党・野党といった政治的立場をこえて、できるだけ幅広い合意を得られることを期待している。その後のスケジュールは国会しだいだ。予断をもつことはできない」と述べました。
さらに安倍総理大臣は、日産、三菱自動車工業、ルノーのグループ3社の運営について、「日仏産業協力の象徴である日産・ルノー・三菱のアライアンスは安定的な関係を維持していくことが重要だと認識している。しっかりとしたガバナンスのもとでアライアンスの強化に向けた建設的な議論が当事者間で行われることを期待している」と述べました。
一方、安倍総理大臣は、中国の通信機器大手「ファーウェイ」の幹部がカナダで逮捕される中、政府が通信機器を調達する際に、安全保障上のリスクも考慮して総合的に評価することを申し合わせたことについて、「各府省庁において、特に防護をすべきシステムと、その調達手段を定めたものであり、特定の企業や機器を排除することを目的としたものではない」と述べました。
-- NHK NEWS WEB