アメリカの要請によってカナダで逮捕された中国の通信機器大手ファーウェイの幹部の勾留を続けるかどうかの審問がカナダの裁判所で再開されました。制裁下のイランとの不正取り引きを主導したとして詐欺の疑いが持たれ、アメリカと中国の対立の新たな火種となりかねない事件の行方に世界的な注目が集まっています。
中国のファーウェイの財務の責任者で副会長の孟晩舟氏(46)は、今月1日、カナダ西部のバンクーバー国際空港で、アメリカの要請を受けたカナダ当局に逮捕されました。
バンクーバーにある裁判所で10日、孟氏の勾留を続けるかどうかの審問が、7日に続いて本人が出廷して日本時間の午前3時すぎに始まりました。
アメリカ政府の代理で法廷に立ったカナダの検察当局者は、孟氏の容疑について、ファーウェイの関係会社を通じて2009年から2014年にかけて、制裁下のイランの通信会社に機器を販売した際に、アメリカの複数の金融機関に虚偽の説明をしたとして、詐欺の疑いがあると主張しています。
そのうえで、保釈すれば国外逃亡のおそれがあるとしてアメリカに身柄を引き渡すまで勾留を続けるよう求めています。
これに対して孟氏側は、中国の信用にかかわるため、国外逃亡のおそれはないとして保釈を求めています。
審問にはこの日も各国の記者が取材に訪れ、アメリカと中国の対立の新たな火種となりかねない事件の行方に世界的な注目が集まっています。
-- NHK NEWS WEB