EU=ヨーロッパ連合からの離脱に向け域内の単一市場から撤退する意向を明らかにしたイギリスのメイ首相は、議会での審議で、EUとの新たな自由貿易協定の締結を目指し経済や雇用を守っていくとして、みずからの方針の正当性を主張しました。
メイ首相は17日、EUからの離脱に向けた政府の方針を明らかにし、人やモノの自由な移動を認め取り引きを活発にする域内の単一市場から撤退する意向を初めて示しました。
18日に行われた議会の審議では、最大野党の労働党のコービン党首などが質問に立ち、単一市場からの撤退が経済に深刻な影響を与えかねないと厳しく追及しました。
これに対して、メイ首相は「EUとの新たな自由貿易協定の締結を重要な課題として取り組む」と述べ、イギリスに拠点を置く企業が単一市場にアクセスできるよう交渉し、経済や雇用を守っていく考えを示しました。
また、EU域内からの移民を規制すれば国内の労働力が不足しかねないという指摘に対して、メイ首相は社会や経済に貢献する移民は引き続き受け入れていくとして、EUにとらわれない独自の移民政策をとる姿勢を強調しました。
ただイギリスでは、経済界を中心に単一市場からの撤退に根強い懸念があるほか、最高裁判所が来週、EUに離脱を通知する前に議会の承認が必要だという判断を示せば、撤退に向けた手続きが滞る可能性も指摘されています。
-- NHK NEWS WEB