東京スター銀行の会長で、外交関係のない日本と台湾の経済強化に取り組んできた江丙坤氏が10日、台北市内で亡くなりました。85歳でした。
日本統治時代に生まれた江丙坤氏は、流ちょうな日本語を操り、日本と台湾が断交した当時、東京の大使館で勤めていたほか、台湾に戻ったあとも日台の経済関係強化に取り組み、経済担当の閣僚だった1999年には、日台間の企業交流会を設立してのちに代表に就任するなど、日本の政財界との間で幅広い人脈を築いてきました。
また、2014年からは台湾の大手銀行の傘下にある東京スター銀行の会長を務めていました。台湾の企業関係者を率いて日本を訪問したり日本企業の訪問団を受け入れたりするなど、積極的に日台経済の懸け橋になっているとして、2015年には旭日重光章を受章しています。
江氏は、国民党の馬英九政権のもとで中国と台湾の経済交流を発展させたことでも知られ、2008年におよそ10年ぶりに再開された窓口機関どうしの公式対話で、直行チャーター便の運航拡大や中国大陸の観光客の台湾旅行の解禁などを取りまとめました。
江氏は、今月8日、会合に出席していた台北市内のホテルで倒れ、搬送先の病院で治療を受けていましたが、10日亡くなりました。85歳でした。
-- NHK NEWS WEB