インターネット上の仮想通貨、ビットコインの取引所の1つで、4年前に経営破綻したマウントゴックスの社長が3億円余りを着服した罪などに問われている裁判で、検察は「取り引きへの信頼を根底から覆し、極めて悪質だ」として、懲役10年を求刑しました。
ビットコインの取り引きを仲介していたマウントゴックスの社長、マルク・カルプレス被告(33)は、平成25年に会社名義の口座から3億4000万円余りを着服した業務上横領の罪や、会社のシステムのデータを改ざんして口座残高を水増しした罪などに問われ、無罪を主張しています。
検察は、着服に当たらないとしても会社に損害を与えた特別背任の罪に当たるという主張も追加しています。
12日の裁判で、検察は「被告は、会社の口座からの送金を返済する意思も見込みもなく、被告個人の用途に使われ、保身のためにその場しのぎの方法で改ざんを加えて被害を拡大させた。取り引きへの信頼を根底から覆し、極めて悪質だ」と指摘して、懲役10年を求刑しました。
裁判は、今月27日に弁護側が最終弁論を行い、結審する見通しです。
-- NHK NEWS WEB