大手電機メーカーの日立製作所は、スイスの電力設備などを手がける「ABB」から、送配電などの電力システム事業を最大8000億円規模で買収する方向で、交渉を進めていることが分かりました。
関係者によりますと、日立は、ABBから電力システム事業を買収する方向で交渉を進めているということです。買収額は最大で8000億円規模になるとみられ、実現すれば、日立としては過去最高額となります。
ABBは、電気を家庭や企業に送る送配電設備の製造や運営など電力システム事業を手がけていて、この分野で世界最大です。
日立はこの買収を通じて、新興国など今後需要が拡大する海外での事業展開の強化を目指すものとみられます。
また、日立が強みを持つあらゆるモノとインターネットをつなぐ「IoT」の技術を生かして、効率的に電気を送る次世代の送電網の開発などを進め、競争力を強化するねらいもあるとみられます。
日立とABBは3年前、日本国内の送電事業を共同で行うため、合弁会社を設立しており、日立は、こうした提携関係を踏まえて、買収に向けた大詰めの交渉を進めています。
-- NHK NEWS WEB