東京・杉並区のクリニックが検査した女性の肺がんの疑いを見落とし、その後、死亡した問題で、クリニックの検査で異常がないとされた人のうち、新たに2人が肺がんと診断され、1人に肺がんの疑いがあることがわかりました。クリニックを運営する医療財団は「検診ではがんは見つからず見落としではない」と説明しています。
杉並区にある「河北健診クリニック」は区から委託を受けてがん検診を実施していましたが、40代女性の肺がんの疑いを見落とし、女性はことし6月に死亡しました。
クリニックを運営する医療財団は13日、会見を開き、検査で異常がないとされた人のうち、新たに2人がその後に肺がんと診断されたことを明らかにしました。2人はいずれも去年、クリニックで区のがん検診を受け問題がないとされましたが、ことしになって企業の健診などで肺がんと診断されたということです。
また、このほか、クリニックで健康診断を受けて異常が無いとされた1人に肺がんの疑いが見つかったということです。
このクリニックをめぐっては、これまでの調査で、ほかに5人が区のがん検診で異常がないとされた後に、肺がんや肺がんの疑いがあると診断されていたことがわかっています。
クリニックを運営する医療財団は、死亡した女性についてはがんの疑いを見落としたことを認めていますが、ほかの人については「検診の時点でがんは見つからず、見落としではない」と説明しています。
-- NHK NEWS WEB