ビールなどの販売で激しい競争を繰り広げる大手ビールメーカー2社が、トラックのドライバーの不足やそれに伴う物流の費用の上昇を抑えようと、同じ貨物列車を活用して商品を配送する取り組みを始め、19日、大阪府で出発式が行われました。
この取り組みは、ビール系飲料の販売量で業界1位のアサヒビールと、2位のキリンビールが始めたもので、19日は大阪府吹田市にある貨物専用の駅で出発式が行われました。
両社は、吹田市のアサヒビールの工場と神戸市のキリンビールの工場で生産されたビールなどを、同じ貨物列車に載せて金沢市まで運び、そこからはトラックで取引先に届けます。
両社は、北陸地方への配送は、これまでトラックだけで運んでいましたが、ドライバーの不足やそれに伴う物流の費用の上昇が課題となっていました。今回の取り組みを1年間続けた場合、両社合わせて1万台分の長距離トラックの輸送に相当するということです。
ビール業界では、激しい競争の一方で、各社とも物流のコストをどう抑えるかが課題で、首都圏でも大手3社がトラックを使った共同配送に取り組んでいます。
アサヒビールの佐藤郁夫取締役は「配送のインフラは協力して、さらに効率化を図っていける分野だ」と述べ、今後も物流部門でメーカーどうしの連携を目指す考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB