自民・公明両党は、来年の消費税率引き上げに伴う景気対策として、自動車や住宅に関する減税措置を拡充することや、未婚のひとり親に対する支援策などを盛り込んだ、来年度の税制改正大綱を正式に決定しました。
自民・公明両党は14日、政務調査会長や税制調査会長らが会談し、来年10月の消費税率引き上げに伴う景気対策などを盛り込んだ来年度の税制改正大綱を正式に決定しました。
それによりますと、焦点となっていた自動車関連税制は、車を持つ人に毎年課税される「自動車税」について、来年10月以降に購入した人を対象に、最大で年4500円を恒久的に減税するとしています。
これによって、排気量が1000CC以下の最も小さなクラスの車で、税額が年2万9500円から2万5000円に、排気量が1500CCの場合、年3万4500円から3万500円に引き下げられます。
また、自動車の購入時に、燃費性能に応じて課される税金は、来年10月からの1年に限って、最大3%の税率を1%分軽減するとしています。
さらに、住宅については、消費税率引き上げ後に購入した場合、「住宅ローン減税」を受けられる期間を3年延長し、その間は最大で、建物価格の2%分を減税して、増税分の負担を実質的になくすとしています。
このほか、都市と地方の税収格差を是正するため、企業が自治体に納める地方法人税のうち、法人事業税の一部を国が徴収して、地方に再配分することにし、これによって、東京都の税収は新たに約4200億円が地方に再配分されることになります。
また、民泊などの、いわゆる「シェアリングエコノミー」や、仮想通貨の取り引きで利益を得た人の課税逃れを防ぐため、国税当局が仲介企業に情報を照会できるようにする新たな制度を整備することや、祖父母や親から教育資金を援助してもらう際、贈与税が非課税になる特例措置に、所得制限を設けることなども盛り込まれています。
一方、自民・公明両党で調整が難航していた、未婚のひとり親に対する支援策では、配偶者と死別したり離婚したりしたひとり親と同様に、子どもが1人いて、年収204万円以下の未婚のひとり親も、住民税を非課税にするとしています。
また、臨時の予算措置で、未婚のひとり親が受けられる児童扶養手当の支給額を、年1万7500円上乗せするほか、再来年度の税制改正で、さらなる税制上の措置を講じるか検討するとしています。
政府・与党は、税制改正大綱の内容を盛り込んだ税制関連法案を、来年の通常国会に提出し、成立を目指すことにしています。
-- NHK NEWS WEB