政府の来年度予算案の決定に向けた、麻生副総理兼財務大臣と各大臣による1日目の閣僚折衝が終わり、焦点となっていた、消費税率の引き上げに伴うポイント還元制度におよそ2800億円を充てることなどが固まりました。
17日は、午後3時すぎから合わせて14人の閣僚らと折衝が行われ、来年10月の消費税率の引き上げに伴う一連の景気対策が焦点となりました。
このうち、世耕経済産業大臣との折衝では、中小の店舗でクレジットカードなどキャッシュレスで買い物すると購入額に応じてポイントを還元する制度の費用として、およそ2800億円を計上することが決まりました。
石井国土交通大臣とは、消費税率引き上げ後の新築やリフォームの際に、省エネ性能や耐震性などがすぐれた住宅にするとポイントを付与する制度をめぐって協議を行い、およそ1300億円を計上することが決まりました。
根本厚生労働大臣や柴山文部科学大臣などとの折衝では、消費税率の引き上げに合わせ、来年10月から幼児教育と保育を無償化する費用について、最初の年度は、全額を国が負担し、地方は負担しないことが決まりました。
さらに根本大臣とは医療や年金などの社会保障費の伸びをめぐって協議した結果、要求段階の6100億円余りから圧縮し、4800億円程度に抑えることで合意しました。
また、医療機関に支払われる「診療報酬」のうち、医師の人件費などに当たる「本体」部分を0.41%引き上げる一方、薬の価格などに当たる「薬価」部分は、0.51%引き下げることで決着しました。
山下法務大臣との折衝では、来年4月からの外国人材の受け入れ拡大に伴って新設される、出入国在留管理庁での審査体制などの整備に181億円を計上することが決まりました。
岩屋防衛大臣との折衝では、島しょ部の防衛強化のため、射程が数百キロの「滑空弾」を新たに研究開発する費用に139億円を充てることが決まりました。
閣僚折衝は、18日、石田総務大臣と地方交付税の規模などをめぐって調整を行い、すべての協議を終える予定です。
政府は、来年度予算案を一般会計の総額で初めて100兆円の大台を超える101兆円台とする方向で調整を進めていて、閣僚折衝の結果を踏まえ、今月21日に閣議決定することにしています。
-- NHK NEWS WEB