日立製作所の中西宏明会長はイギリスで進められている原子力発電所の建設計画について、17日、「難しい状況だというのは事実だ」と述べ、イギリス政府側との調整が難航しているという認識を明らかにしました。
日立は、イギリス中部アングルシー島で計画されている原発建設事業で、イギリス政府側と共同で事業費などを負担する形で、事業に参加するかどうか来年中に最終判断するとしています。
これについて、日立の中西会長は17日の経団連の記者会見で、「難しい状況だというのは事実だ。もう限界だよとイギリス政府には言ってある」と述べました。
安全対策などでコストが膨らむ見通しになる中、電力の買い取り価格をどう設定するかなど、採算を確保するためのイギリス政府側との調整が難航しているという認識を明らかにした形です。
一方、日立の東原敏昭社長は17日の別の記者会見で、「日立はいち民間企業で、リスクの取り方にも限界がある。経済合理性に合致するなら、プロジェクトを進めるが、合致しないなら凍結するかもしれない」と、凍結の可能性に言及したうえで、従来どおり、来年中に最終判断する方針を示しました。
日本国内で新たな原発の建設が事実上ストップする中、この計画は海外での収益の確保や技術の継承の面からも注目されてきましたが、イギリス政府側との調整は不透明さを増しています。
-- NHK NEWS WEB